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「…まだ学校慣れてないじゃん。1人で行くの不安だろ?」
南都は前を向いたまま、素っ気なく答える。
やっぱり…
南都は一緒に行くために、早起きして待っててくれたんだ。
寝坊した沙羅を、ずっと。
「ありがとう」
沙羅は素直に感謝した。
南都の言う通り不安もあったし、何よりその優しさが嬉しかったから。
…それなのに。
「お礼はいいからさー肩じゃなくて、腰持って♪」
「えぇぇっ??!!」
こ、腰?!
ってなんか密着するし…緊張するんですけど。
「そ、それは…」
「いーからっ!!ほら、早く」
この人は…
昨日から薄々感じてはいたけれど、やっぱり意地悪だ。
有無を言わさぬこの雰囲気。
もう!しょうがない!!
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