7/18

1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/282ページ
「ねぇ…あれ誰??」 女はたまたま近くにいた、自分と同じクラスの男に尋ねた。 「あぁ。確か昨日転入してきたこだよ。山下沙羅、だったかな?可愛いよなぁ~」 「山下、沙羅…」 「2ケツで登校なんて羨ましい限りだぜっ」 はぁ…と思い詰めたように深々と溜め息をつく男。 「あのこ水嶋と同じクラスらしいよ。チャラ男代表の水嶋が早速手ぇつけたってわけだな…」 「そう…南都が、ね…」 女は口元に手を添え、しばらく考え込んだ。 女を後ろに乗せるなんて…それどころか、手まで繋いで。 あの、南都が… 「それよりさぁ綾…」 「どうもありがとう」 喋り続ける男を無視し、にこっと可愛らしい笑顔で礼を言うと、女はその場を立ち去った。 …南都は絶対に渡さない。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加