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「ねぇ…あれ誰??」
女はたまたま近くにいた、自分と同じクラスの男に尋ねた。
「あぁ。確か昨日転入してきたこだよ。山下沙羅、だったかな?可愛いよなぁ~」
「山下、沙羅…」
「2ケツで登校なんて羨ましい限りだぜっ」
はぁ…と思い詰めたように深々と溜め息をつく男。
「あのこ水嶋と同じクラスらしいよ。チャラ男代表の水嶋が早速手ぇつけたってわけだな…」
「そう…南都が、ね…」
女は口元に手を添え、しばらく考え込んだ。
女を後ろに乗せるなんて…それどころか、手まで繋いで。
あの、南都が…
「それよりさぁ綾…」
「どうもありがとう」
喋り続ける男を無視し、にこっと可愛らしい笑顔で礼を言うと、女はその場を立ち去った。
…南都は絶対に渡さない。
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