shelter

Ⅳ

「久しぶりね。南侑希ちゃん♪」

見つめ合う２人…先に口を開いたのは綾瀬だった。

「…あんた、まだ水嶋に付きまとってたんだ」

「その言い方はやだなーっ。あたしはただ、南都が好きなだけ」

「それ本気で言ってんの？」

「もちろん♪当たり前じゃない」

落ち着いた口調で言葉をぶつける侑希に、綾瀬は終始笑顔で対応する。

「でもあの様子だと、相手にされてないんじゃないの？」

痛い一言。

図星だったのか綾瀬は黙ってしまった。

俯いているため、その表情を見る事は出来ない。

再び沈黙が流れる…

「……ねぇ。あのこ、沙羅ちゃんだっけ」

しばらくしてパッと上げた綾瀬は…ニコッと、しかし目は笑っていない笑顔を侑希に向けた。