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何も言わない南都に、沙羅は不思議そうに首を傾げた。 …その時だった。 「え?」 掴んだ手首がぐいっと引き寄せられ、沙羅は南都に抱き締められていた。 他に人のいない静かな屋上… 2人の心臓の音が心地よく響く。 「な…つ…?」 「何?」 「何じゃなくてっ」 南都はぎゅっと抱き締めていた手を緩め、ゆっくりと沙羅を解放する。 そして沙羅を真っ直ぐに見つめ、口を開いた… 「俺さ、おま…」 「おまたせぇっ♪」 …………ん? 「売店混んでたぁ…」 げんなりした薫太に続き、侑希と湊斗も屋上に現れる。 「どうしたの、固まっちゃって?」 体を向き合わせ動かない2人を、侑希は交互に見つめた。
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