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「タイミングわるっ」
沙羅にしか聞こえないくらいの声で南都は呟く。
そして視線を床へと落とし、わざとらしいくらいに深く溜め息をついた。
あからさまにガッカリした空気を醸し出しているが…
「待ちくたびれた。早く飯食おーぜっ」
すぐに何事もなかったかのように沙羅の手を取り、入口付近にいる3人の元へと歩き出した。
「昼休みあと20分しかないよー!!!!」
「沙羅食べるの遅いんだから早く早くっ」
「あ、うんっ!!」
その時、隣で…
「続きはまた今度な」
そうニヤッと笑った南都は、何を言おうとしたのだろう。
…誰を、想ってる?
未だ速まったままの鼓動。
どうしてかな?
繋いだ右手が熱い。
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