1572人が本棚に入れています
本棚に追加
あれこれ考えていると、先ほど切ったばかりの携帯が再び着信を告げた。
ディスプレイには、薫太の名前が表示されている。
どうやら電話のようだ。
「もしもし?」
「あ、沙羅っ?今ひま?」
「うん。どうしたの?」
「うち来ない?母さんも会いたがってるしっ♪」
他の2人と違い、薫太とは家族ぐるみの付き合い。
沙羅は昔から、薫太の母にとても良くしてもらっていた。
「あたしも会いたい!じゃあ今から行くね?」
「待って!迎えに行く」
沙羅の家から薫太の家まで、歩いて3分程度の距離。
時刻は21時を過ぎているが、迎えに来てもらうほどではないのだが…
「1人で大丈夫だよ?」
「だーめ。大人しく待ってて!じゃあねっ♪」
そう言うと、薫太は一方的に電話を切ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!