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「でも、あの時の薫太…凄くかっこよかったよ」 引っ越しの時だけじゃない。 思い返してみれば、薫太はいつだって一番近くで自分を支えてくれていた。 頼りになる男の子。 ニコっと笑ってみせると、薫太はそんな沙羅を見つめてゆっくりと語り出した。 「…沙羅はさ、いつだって俺を男として見てくれてたよね」 「どうゆうこと?」 「ほら、俺この顔だから。みんな女みたい、可愛いってそればっかりで…」 薫太はその外見と仕草で、昔から「可愛い」と男女問わず人気があった。 時には本気で女の子と間違われる事も。 だが、沙羅は思っていてもそれを口にした事はなかった。 なんとなく、薫太が嫌がる気がしたから… 「可愛いって言われるのは嬉しいけど…やっぱり俺は男だから」
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