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「ありがとう」
満面の笑みでそう言うと、薫太は突然手招きをする。
「ちょっとこっち来て♪」
何の疑問もなく、言われるがまま傍へ寄る沙羅。
すると薫太はその手をグイッと引き寄せ、体をベッドに押し倒した。
「く、薫太っ???!!!」
予想外の出来事にあたふたする沙羅に、ゆっくりと顔を近付けていく。
無音の室内。
そこに、甘い音が響いた。
…どうして?
今、何が起こったの?
「幼なじみじゃなくて、1人の男として見てほしいんだ」
薫太は沙羅の頬にキスをした。
優しく…まるで、壊れ物を扱うかのように。
動揺を隠せない。
頭が混乱して、言葉が出てきてくれない。
そんな沙羅から、薫太は静かに離れた。
「…送ってくね」
苦しくて、切ない想いを隠して…
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