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「さらっ!!」
一限目が終わると同時に、教室の入口から誰かの叫び声が響いた。
今、さらって言ったよね?
キョロキョロと辺りを見回すが、転入初日だし…自分の事ではないと判断。
しかし、次の瞬間…
「きゃっ??!!」
沙羅は何者かに後ろから抱き締められていた。
「だ、誰っ?!」
こんな所に変質者?!
ま、まさかねっ!
混乱する沙羅をよそに、なんだか懐かしいような…聞き覚えのある声が耳元で聞こえた。
「薫太!和泉薫太(イズミクンタ)だよっ、覚えてない…?」
抱き締める腕から解放され、振り返るとそこには可愛らしく笑う男の子の姿が。
「…薫太?!うそっ…同じ学校だったのっ?!」
「うんっ。母さんから沙羅が帰ってくるって、しかもうちの学校に転入って聞いてさ!早速会いにきちゃったぁー」
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