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「僕、1年D組の相馬和哉(ソウマカズヤ)っていいます。こないだ売店で山下さんを見掛けて…一目惚れというか、なんというか……」 そのしどろもどろな様子から必死さが伝わってくる。 「とにかくっ!!友達になってほしいんです!!!!」 「は、はい…」 そんな和哉に、沙羅はつい勢いで返事をしてしまった。 なんていうか、断れない雰囲気。 「本当ですか?!やったぁ!!」 沙羅の返事に和哉はぱぁっと表情を明るくし、自分のアドレスを書いた紙を差し出してくる。 「あとでメールくださいねっ」 ニコニコと嬉しそうにそう言うと、満足したのか…手を振りながら去っていった。 まぁ…友達なら、別にいいか。 深く考える必要もないだろう。 沙羅は受け取った紙を、そっと制服のポケットにしまった。
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