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「真面目に来たと思ったら早速さぼりかぁ」 呆れたように言う侑希。 沙羅はしばらく黙って俯いていたが…突如、何かを決心した様に顔を上げた。 「あたし…ちょっと行ってくる!!」 「えっ?行くって??!!もうすぐHR始まっ………」 止める言葉を最後まで聞かずに、沙羅は教室を飛び出した。 向かう先はもちろん… 「あれっ?もういない…」 廊下に出たはいいが、そこには既に南都の姿はなかった。 南都の行きそうなところ… といって思い浮かぶ場所なんて、一つしかない。 沙羅は階段を駆け上がり、目の前の銀色の扉を勢いよく押す。 バンッ!!!!と大きな音をたて、広がる視界。 「やっぱりここにいた」
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