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「あのさ、沙羅…」
混乱する沙羅に向かって、侑希は再び口を開く。
その表情は何かを決心したようでもあり、不安を隠せない…そんな感じにも見える。
高まる緊張感。
「あや…」
「沙羅ー!!侑希ちゃーん!お昼にしよー!!」
…タイミングが良いのか、悪いのか。
千夏の叫び声により、侑希の言おうとした言葉は綺麗にかき消されてしまった。
「呼ばれちゃった…またあとでゆっくり話すね」
あははと苦笑いをすると、侑希はまだポカンとしている沙羅の手を取る。
「行こっ!お腹すいちゃった」
「…だねっ」
一緒に千夏たちの待つリビングへと向かう。
伝えられなかった、それぞれの思いを胸に抱えたまま…
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