1572人が本棚に入れています
本棚に追加
「うまそーじゃん、それ。ちょーだい」
捨てようとしたカボチャ。
ふいに声がしたと思ったら、沙羅の手が空っぽになっていた。
「南都っ!!それ焦げて…ぁ」
忠告も虚しく、南都は沙羅から取り上げた串をパクッと口に入れてしまう。
まさに一瞬の出来事。
「だ、大丈夫…?」
「おこげ好きだから」
…おこげなんて可愛らしいレベルじゃないと思うんだけど。
しかし、南都は平然とそれをもう一口放り込む。
「つーか肉焼けたから食お。ほら、薫太も肉~」
「わっ。湊斗の皿見て!!千夏さんに有り得ないくらい肉盛られてるよっ」
後退りする薫太。
…今のって、わざと食べてくれたんだよね?
湊斗の様子を他人事のように面白がる南都を、沙羅は悩ましげに見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!