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「見て見てっ!海ー!!」
ペンションを出てしばらく歩くと、涼が言っていた通りお土産屋さんが立ち並ぶ商店街が現れた。
まさに観光地といった感じだ。
そして目の前に広がる海。
沙羅は寄り道せず、真っ先に海へと走った。
「すごーい…きれー」
白い砂浜に下り、青々と輝く海を見つめる。
この海を見ていたら、今までごちゃごちゃ悩んでいた事がちっぽけに思えてくる。
穏やかになる心。
沙羅はそのまましばらく海に見入ってしまった。
聞こえるのは、波の音だけ…
「ねーねー何してんの?」
「っ!!」
しかし、突然声を掛けられ、意識を現実へと引き戻される。
ビクッと体を強張らせ振り返ると、背後には見知らぬ若い男が立っていた。
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