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「南都…」 「ちっ…男付きかよ」 南都の姿を見た男は、舌打ちをすると渋々立ち去っていく。 危なかった。 南都がいなかったら、きっと… 「あの…ありがとう。もう大丈夫だよ…?」 男がいなくなった後も、沙羅を離そうとしない南都。 「あと五分。てか、いきなりいなくなるから…びっくりした」 「み、みんなは?」 「商店街の干物に夢中」 …ひもの? 港町だから漁業盛んなんだね… ってそんなことじゃなくて! 「な、南都!五分たった!!」 「はぁ?まだ一分じゃんっ」 どうしたらいいの? 助けてくれた事が嬉しくて、でも抱き締められるのは恥ずかしくて。 心地良い腕…このまま離さないで、なんて思ってしまう。 このまま… 「沙羅ー!!水嶋ーっ?!」 だけど、遠くから聞こえる侑希の声。
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