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「…連絡とってんの?アイツ…あの1年と」 ペンションの庭にあるベンチに腰を下ろした2人。 月明かりに照らされたそこはとても静かで、緊張感が高まってくる。 鳴り響く心音が南都に聞こえてしまうんじゃないか…なんて、心配になるくらい。 「相馬くん?一回だけメールしたけど…」 あの後、沙羅は貰ったアドレスにメールをした…といっても名前を入れて送っただけだが。 受け取っておいて送らないのも悪いし。 沙羅がそう言うと、南都はふと俯いていた顔を上げた。 「ごめん、あの時態度悪くて。沙羅が俺の知らない奴と話してたから、なんかさ…」 「…やきもち?」 いつもの南都ならきっと「あ、バレたぁ?」とか「んなワケねーだろっ」なんて、ふざけて返してくる場面。 だけど、今回は違っていた。 「そうだよ」
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