18/21
前へ
/282ページ
次へ
何か言わなきゃ… そう思うのに、何を伝えればいいのかわからない。 どうしたらいいの? 「今すぐ答え出せとは言わない。ゆっくり考えていーから」 そんな沙羅に、南都は優しく微笑む。 笑ってるはずなのに…その瞳が悲しげに見えるのは、気のせいだろうか。 「寒いし、部屋戻るかー」 伸びをして立ち上がり、歩き出そうとする南都… 無意識だった。 気が付くと沙羅は、南都が腰に巻いているチェックのシャツを掴んでいた。 「沙羅?」 自分の気持ちに嘘は付けない。 体は正直。 …そういう事なんだ。 もし、侑希が南都を好きだとしても… 「いか、ないで…」 やっぱり… 諦めるなんて、出来ないよ。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加