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静かに時が流れる… 南都はシャツを掴む沙羅の指を一つ一つ離していくと、そのまま手を握った。 「俺、ポジティブだから…勝手にいい方に解釈するよ?」 その場にしゃがみ、俯く沙羅の顔を下から覗き込む。 「いいの?」 最終確認。 もう、後戻りは出来ない。 沙羅は無言で南都を見つめ、コクンと小さく頷いた。 今はそれが精一杯。 するとその瞬間、握られていた手をグイッと引かれ、バランスを崩した体は南都の腕に包まれた。 ぎゅぅぅ~と今までにないくらいの力で抱き締められる。 「くっ、くるしいよ…」 沙羅がパシパシと背中を叩いて抵抗すると、南都の溜め息に似た熱い吐息が首元にかかった。
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