-§記憶①§-

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「!?」 医者の顔が、一気に変わった。 まずいこと言ったのだろうか…。 「あの……」 「…ここが、どこか分かりますか?」 医者は、私の声が聞こえていなかったのか、話を進めて来た。 「病院…ですよね?」 「では、自分の名前と生年月日は?」 正解なのか、教えて貰えず…また質問された。 自分の名前と生年月日… 「……ッ…」 何かを思い出そうとする度に頭痛がする…。 「…分かりません……。」 頭痛に耐えながら答えた。 自分の名前と生年月日が分からないなんて、おかしなものだ。 しかし、分からない…。 「そうですか…。」 医者は、一言そう呟くと部屋を出て行ってしまった。 何なのだ!? 全くをもって意味が分からない……。
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