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―ガラッ―
医者が出て行って、着いて行くように看護士が出て行ってから、しばらく経って再び扉が開いた。
誰だろ...
と言っても、自分の名前も分からない自分にしてみれば、誰でも知らない人だろう…ι
ゆっくり、そっちを見ると最初に見たおばさんだった。
「………」
おばさんは、何も言わずに近くにあった椅子に座った。
「……あの…」
耐えられなくなり口を開けば、おばさんの目には涙が溜まっていた。
「…ごめんね。」
「え……?」
一切意味が分からなかったため、聞き返してしまった。
「杏里の事、もう少し…考えてれば…」
また杏里...
「杏里って、私の名前なんですか?」
堪らなくなって聞いた。
「……(コクン)」
おばさんは、ハッとした顔をしてから頷いた。
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