-§記憶①§-

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―ガラッ― 医者が出て行って、着いて行くように看護士が出て行ってから、しばらく経って再び扉が開いた。 誰だろ... と言っても、自分の名前も分からない自分にしてみれば、誰でも知らない人だろう…ι ゆっくり、そっちを見ると最初に見たおばさんだった。 「………」 おばさんは、何も言わずに近くにあった椅子に座った。 「……あの…」 耐えられなくなり口を開けば、おばさんの目には涙が溜まっていた。 「…ごめんね。」 「え……?」 一切意味が分からなかったため、聞き返してしまった。 「杏里の事、もう少し…考えてれば…」 また杏里... 「杏里って、私の名前なんですか?」 堪らなくなって聞いた。 「……(コクン)」 おばさんは、ハッとした顔をしてから頷いた。
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