-§記憶①§-

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「日向チャンに小夏チャン..ごめんね。」 「「え?」」 自分の言葉に、2人の声が重なった。 「2人のこと...忘れちゃって。」 言った後、俯いた。 2人の反応が怖かったのだ。 「杏、そんなこと言わないで…。」 口を開いたのは、日向だった。 「そうだょ。杏里は、杏里だもん。私たちとの思い出が消えちゃったのは、悲しいことだけど...これから、取り戻すように作っていけばいいじゃん。」 笑顔で言う小夏が眩しかった。 「日向チャン、小夏チャン...ありがと。」 今度は、お礼を言った。 「ん~」 しかし何故か、日向は唸っている…。 「なに…?」 何か悪いことでもしたのだろうか…? 下げていた頭を上げると、日向が眉間に皺を寄せていた。 「えっと…」 小夏にヘルプサインを送ると、いきなり日向が目の前に指を出して来た。 「Σ(ビクッ)」 「日向チャンって、辞めて。気持ち悪いから…」 「へ?」 驚いているのを無視して、日向が言った。
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