天国まで逃げた馬

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次次と馬がゴールを終えていくなか、競馬場の隅にぽつんと残された人一人と馬一頭。その人はうつむきながらその馬の首を撫で続ける。 その人武豊はせめてこの馬に生きてほしいと願ったが安楽死の処置が決まった。                         あの時骨が砕けたにも関わらず何故サイレンススズカは倒れなかったのか。このことに対して武豊はサラブレットの本能ですよ、と言うがそれだけではない。武豊も分かっていて言わなかった。あの時倒れなかったのは鞍上した武豊騎手を守るため安全な隅へ移動したのだ。もしもあそこでサイレンススズカが倒れていたら武豊も命を落とすほどの大怪我をしていた。                      サイレンススズカのこの世の逃亡生活は終わった。でもサイレンススズカの最強伝説は今でも、これからも競馬史に語り継がれていく。
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