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近代人は
前に進むことは考え、
それを欲望するが、
どこへ向かうのかは考えない。
というか、
考えることが出来ない。
なぜなら、
私たちはすでに自分とは別の、その他の理想や理念をもたないからだ。
それを失うときには、
私たちは私たちの時間の終着点、要するに目的を失うことになる。
そうすると、
残るのはこの現在だけである。
「いま」だけである。
「いま」がよければそれでいい、という感覚がここから生まれてくる。
これが大衆社会というものが
持っている感覚なのである。
「いま」がよければそれでいいと考える人間は
「他の誰か」が何とかしてくれるだろう、
と考えるのである。
しかし、「他の誰か」も同じ事を考えていたら
いったいどうなるのだろうか…。
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