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「お疲れ様でした」
私は傘を片手にいつもより弾んだ声でバイト先のコンビニをあとにして、急いで帰路を歩く。
それから厚い雲に覆われてパラパラと雨が降ってくる空を見上げて、泣きそうになる顔を無理矢理笑顔に変えた。
あの日も雨が降っていた。
いつも買いに来るあの人が、ずぶ濡れで…捨てられた猫みたいで…
泣いてるみたいに見えて。
なんだか放っておけなかった。
「ただいま」
そんな愛しい人の声がして、私は小走りで玄関に向かう。
最近帰りが遅い。
仕事頑張ってるんだろうな。
「おかえり。ご飯できてるよ」
「……ん」
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