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私、棚に戻さなかったっけ?
手元には猫のマグカップが色違いで二つ。
ナルちゃんが私らしいと言ったカップと、私がナルちゃんに似てると思ったカップ。
まぁ、どっちも可愛いから気分で変えて飲もうかな。
って。
「えぇ!?」
今度はお椀が二つ出てきた。
「…まさか」
なんとなく予想がつく。
私は袋を次々と空けて中身を取り出した。
「やっぱり…」
どうりで袋が多いわけだ。
会計の時はナルちゃんがやるって言ってくれて、私はその言葉に甘えた。
その間に雑貨屋で小物を見ていた。
だから気が付かなかった。
そう。私の目の前には自分が気に入った至ってシンプルな食器。
それも二組ずつ。
ナルちゃんってば、ちゃっかり私のご飯食べる気ね。
…って、私は住ませてもらってる身だからこれくらいやんなきゃダメか。
それにナルちゃんは、あの時言ったようにほとんど家にいないし、楽なほうだ。
一緒にご飯を食べたのだってまだ一回。
確かあの時は簡単な鮭のホイル焼きを食べた。
「…今日は煮魚にしようかな」
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