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テレビをつけ、ふっかふかのソファーに腰を掛ける。
大型のプラズマテレビに高級そうなソファー。
安っちい私には似合わないな。
ナルちゃんっておぼっちゃまなのかな。
見た目からすると、まだ新人のサラリーマンかもしかすると大学生くらいだ。
何度かスーツ姿を見たことがあるとするとサラリーマン?
でもサラリーマンがあんなに家にいるなんておかしい。
どっちにしろ若造が贅沢だわ。
…って私大学生なんだけど。
なんて考えながらチャンネルを回すと、どこかの企業の特集をやっていた。
「見てください!この大きなビル!わたくし、今日は今業界No.1の――」
笑顔と大袈裟なくらいの仕草で話を進めていく若い女性リポーター。
そんなリポーターに爽やかに挨拶をする社員たちは、みんな真面目そうだ。
「…え」
私はその社員たちの胸元に目が行った。
シルバーのダイヤ形。その中央に真っ赤な「N」。
あれは…
圭吾がつけていたものと一緒だ。
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