3259人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヤバイな…コイツらさっきの2匹みたいに力だけのバカじゃないみたいだし…」
瞬と美咲も後ろにいるサイクロプスの方に向き直った。
「それに…コイツら上手く巻けたって瞬のお父さんも一緒に運んで逃げるのは無理ね…」
次の瞬間、2匹の狼人間がうなりを上げて飛び掛かって来た。
しかし、2匹が瞬達に届く前に声が聞こえてきて狼人間達は止まった。
「待て!…そっちの4人の人間も…動くなよ。」
冷たい声、そしてその声は倒れている瞬の父の更に奥の林の中から聞こえてきた。
目を凝らして見ると、林の中に影が立っている…あまり大きくない、隼人と同じぐらいの大きさの影…それは林から出て、瞬の父の方へ歩いて来た……鷹?……いや、それより…コイツ、しゃべった?
瞬が混乱していると隼人が言った。
「…こいつの姿も知ってるぞ…エジプトの壁画とかに書いてある…鷹の頭を持つ古代エジプトの神官…【ホルス】だ……おい、お前!そこの鷹野郎。言葉が分かるんだろ?お前は誰だ!コイツ達もお前が操ってたのか!?」
隼人は静かに返事を待った。
(ホルスの一言で狼人間が動きを止めた。おそらく…こいつが頭…)
すると、先程と同じ冷たい声が聞こえた。
「ほぅ…こいつの名を知ってるのか。博識だな…しかしこの怪物共を操っているのはコイツでは無い。今はコイツの口を借りてしゃべっているだけだ。
私はここだ…見えるか?」
そう言ってホルスは手を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!