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ピシッ!…ついにヒビが入った。美咲が焦った様に理緒を見る。理緒はまだ目を閉じている…
「理緒ちゃん!」
「……充~電完了~♪」
理緒が目を開けた瞬間、氷の壁が砕け2匹の狼人間が飛び込んで来た…が……ヒュオオォォン!…風が2匹の獣を包み込んだ。
「美咲ちゃん!今!!」
「オッケー♪」
今度は美咲が目を閉じた。すると…美咲の周囲にキラキラと光る氷の粒子が舞い、理緒の起こした風に吸い込まれてゆく…
「……綺麗………」
理緒が思わず呟いて光の舞いに見とれた。
…隼人はホルスの空中からの素早い攻撃をことごとく躱していた。
「こんの野郎…ちょこまかと…」
急降下して頭を狙ってきた鉤爪をひょいと躱し、苦々しく灰色の空に映る影を見上げた。
(イィなぁ~…俺も空飛びてぇなぁ…っと、今はそんな事考えてる場合じゃねぇ。あの鷹野郎をぶっ倒す!もう出し惜しみナシだ!!)
隼人の目が灼熱した赤色から空の様な青色に変わった。
「高度約100m…距離真後ろ130m…140…150………200m…方向転換…来る!」
隼人は真後ろを向いた。その目はまた灼熱の赤色に変わっている。
ホルスが速度を上げた…200mの距離があっと言う間に縮まる。
二つの影が交差する直前、急にホルスが体をひねって隼人の右側に回り込んだ。
その速度、実に秒速200m…絶対に躱せない。はずだった……ガシッ!
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