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隼人はいつの間にかしゃがんでホルスの胸倉を掴んでいた。
「読めてん…だよ!!」
そのまま投げ飛ばし、氷が舞っている風の中に吸い込まれていった。
やがて風が止み、舞っていた氷の粒子は巨大な氷の塊に姿を変えていた。
ドスンッと音をたてて落ちた氷の中には…3匹の怪物が凍り付いていた。
「ふぅ…疲れた…何か急に眠くなって…」
「この能力…すごく強いけど体力も沢山使うみたいね…私達もまだ能力に慣れてないし…私もすごく眠く…」
そう言って、美咲と理緒はその場に倒れてしまった。
「お疲れさん…さてと、俺はまだ動けるから瞬の方に加勢に行かねぇとな。」
隼人が瞬の所へ行くと…瞬はまだNo30と睨み合っていた。
瞬の周囲が熱気で揺らいでいる。長い…とても長い時間が過ぎた様だった…隼人は倒れている瞬の父から何かを感じて身震いした。
武術に長けている隼人は【気】と言うか、雰囲気というものが大体分かる。しかし…瞬の父から出ているものはそれだけでは説明が付かない何か、黒く重いもの…この研究所へ来た時に感じたあの【恐怖そのもの】が溢れ出している。
「ついに来たか!最高の下僕の完成だ!!」
No30は狂喜して叫んだ。瞬は飛び掛かったが【黒い恐怖】で逆に押し返されてしまった。
そして、瞬の父はNo30もろとも黒い煙に包まれてた。
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