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「と…父さん…?」
瞬は問い掛ける様に呟いたが、悪魔は笑い、刹那
「コロス…」
「後ろだ!!」
隼人が瞬を突き飛ばした。倒れた瞬に何かが降りかかった。
「隼人?」
見上げるとさっき自分が立っていた所に隼人がいた。
右肩から左腰まで斜めに爪痕が走っている。
「お前、俺をかばって…」
「大丈夫だって。しかし速いな…避けたつもりだったんだけど…」
隼人は瞬と悪魔との間に入る様に移動した。
背中の傷から血がにじんでいる。決して浅いはずが無い。
悪魔は隼人を見てニヤニヤと笑っている。
「チッ…ホントにバケモンになっちまったのかよ…」
瞬は悪魔ではなく、父に向かって叫んだ。
「父さん!何してんだよ!聞こえてるんだろ!応えろよ!…父さん!!」
しかし、悪魔は相変わらず気味の悪い笑みを浮かべている。
「クソ…親父さん……おい!瞬、俺があいつの動きを止める。お前はもう1度親父さんに問い掛けてみろ。」
そう言って、一歩踏み出した。
「サキニシヌノオマエカ?」
「うるせぇ黙れ…親父さん…絶対助けてやるから、待ってろよ。」
隼人は大きく深呼吸した。
2人は互いに睨み合った。全てを焦がす様な灼熱した赤い瞳と全てを飲み込む様な漆黒の瞳は、互いに目を離さない。
そして…動いた。
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