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「…迅いな…鷹野郎とは段違いだ…この目が無けりゃ今頃切り刻まれてら。」
隼人は悪魔からの攻撃をギリギリで避けながら呟いた。
速すぎて反撃する隙も無い。
体力も限界に近い…
(威勢張ったはイィけど…こりゃマズイな…)
体が軋む…思うように動かない。出血で一瞬目眩がした。その一瞬が命取り…
(ヤバッ…後ろ!?)
避けられない!…
「隼人!!」
瞬は助けようとしたが、隼人とは距離がある。
(間に合わない…!)
突然、隼人を風が包み、背後に氷の壁が出現した。
ガキィィィン……
襲いかかった爪は氷に阻まれて、隼人には届かなかった。
「ふ~~、ギリギリセーフね。」
「ホント…2人共無茶し過ぎよ。隼人なんかボロボロじゃない。私と理緒ちゃんがいなかったらどうするつもりだったの?」
瞬の横に2人の少女が並んだ。
隼人が風に運ばれて瞬達の前に落ちた。
「いてて…理緒、もうちょっとゆっくり降ろしてくれよ。」
腰を擦っている隼人に理緒は早足で歩み寄って頭を強く殴った。
「いてっ!何すんだよ。」
「バカ!!ひとりで突っ込んでボロボロになって…死んだらどうするつもり!!?」
理緒が叫んで、隼人は不意を突かれたように目を丸くした。
「あ…あぁ…わりぃ…」
美咲が瞬の方を見て、
「本当に…あんた達バカね。こーんな可愛い子達に心配かけて。」
ペロッと舌を出して言った。
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