戦い×ウイルス

24/28
前へ
/779ページ
次へ
「…迅いな…鷹野郎とは段違いだ…この目が無けりゃ今頃切り刻まれてら。」 隼人は悪魔からの攻撃をギリギリで避けながら呟いた。 速すぎて反撃する隙も無い。 体力も限界に近い… (威勢張ったはイィけど…こりゃマズイな…) 体が軋む…思うように動かない。出血で一瞬目眩がした。その一瞬が命取り… (ヤバッ…後ろ!?) 避けられない!… 「隼人!!」 瞬は助けようとしたが、隼人とは距離がある。 (間に合わない…!) 突然、隼人を風が包み、背後に氷の壁が出現した。 ガキィィィン…… 襲いかかった爪は氷に阻まれて、隼人には届かなかった。 「ふ~~、ギリギリセーフね。」 「ホント…2人共無茶し過ぎよ。隼人なんかボロボロじゃない。私と理緒ちゃんがいなかったらどうするつもりだったの?」 瞬の横に2人の少女が並んだ。 隼人が風に運ばれて瞬達の前に落ちた。 「いてて…理緒、もうちょっとゆっくり降ろしてくれよ。」 腰を擦っている隼人に理緒は早足で歩み寄って頭を強く殴った。 「いてっ!何すんだよ。」 「バカ!!ひとりで突っ込んでボロボロになって…死んだらどうするつもり!!?」 理緒が叫んで、隼人は不意を突かれたように目を丸くした。 「あ…あぁ…わりぃ…」 美咲が瞬の方を見て、 「本当に…あんた達バカね。こーんな可愛い子達に心配かけて。」 ペロッと舌を出して言った。
/779ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3259人が本棚に入れています
本棚に追加