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「瞬…すまなかったな、こんな事になってしまって。私ももう長くない…だから…しっかり聞いてくれ。」
『長くない』その言葉は聞きたくなかった…何故ならその言葉が意味するのは…
「もう長くないって…で、でもホラ…大丈夫…だよな?…こうやって話も出来るし……」
しかし…悪魔の姿をした瞬の父は無言で首を横に振った。
「今はまだ意識もあるかもしれないが、時間の問題だ…すぐに私は…消える。」
「そんな!何か方法は!?」
「残念だが…無い。私の心はもうすぐ支配されてしまう…でもそうなる前に、これだけは…話しておきたい。
瞬…良く聞くんだ…今、日本は大変な事になっている。私はこのウイルスに支配される事でその原因を推測する事が出来た。
おかしいとは思わないか?日本全土で同時に地震と火山の噴火が起きるなんて…有り得ない。つまりこれは、何者かが意図的に引き起こしたもの…私がウイルスに感染した時、私の心とウイルスの他にもうひとつ、この体の中に何か…人格プログラムの様なものがあった。
…ひとつの【仮説】として…美咲ちゃんが見たと言う光…タイミングの良過ぎるNo30の能力発現…そしてこの人格プログラム…これらから想像出来るのは………」
その時、瞬の父の言葉が止まり、再び苦しみ出した。
「父さん!どうしたの?…父さん!!」
瞬は叫ぶが全く耳に入っていないといった様子で父は苦しみ続けている。
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