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「あ~ぁ、楽しかったね♪」
「うん。佐々木さんけっこうお酒強いよね」
「遺伝かな。うち飲兵衛家系だから」
「なるほど」
「コラっ。田崎君もけっこういけるくちじゃん。田崎君ここから電車だよね?」
「僕は営業で鍛えられたから。佐々木さん家どこだっけ?」
「今ホテル住まいなんだよね、だから歩き」
「そうなんだ。終電まで時間あるし、近くまで送るよ。」
「ありがとう。じゃ…もう一つお願いしてい?」
彼女が控えめに聞いてくる。
「なに?」
「て…ホテルまで手をつないで歩いてもい?」
彼女の言葉にびっくりした。
「ごめん、図々しいよね。」
「や、違うよ、彼氏に怒られるんじゃないかって」
「彼氏?大丈夫、彼氏なんていないから」
「え、だって高校の時…」
しまった!!つい口が滑った。
彼女が一瞬目をひろげすぐに笑いだす。
「高校の時…の彼氏?何年前の話?でもよく覚えてるね、ってか知ってたんだ。」
「女子が噂してたから」
適当に言葉を濁したけど、覚えてるさ。
君が高校を辞めたあともずっと、僕もあんな風に君に想われたいって思ってたんだ。
あんな風に僕を想って笑ったり泣いてくれたらって…。
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