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僕は彼女の隣のクラスだった。
女子の間でそんな話がされていているのを耳にした何週間か後の火曜日の2限目、僕は授業を抜け出した。
階段をゆっくりおりて玄関に向かう。
玄関に彼女の姿はなかった。
やっぱりガセか、それとも別の場所?…と、階段から誰かが駆けおりる音が聞こえ僕は反射的に下駄箱の陰に隠れた。
そっと顔を出してみると、そこには不機嫌そうに歩く彼女がいた。
彼女は玄関を素通りして歩いていく。
後を追おうとしたが玄関横にある電話(学生用)の受話器のあがる音がして足を止めた。
慌ただしくお金を入れる音、そしてボタンを押す音が聞こえる。
誰に電話してるんだろ?
そう思いながらこっそり下駄箱の陰から見る。
完璧にストーカーじゃん。自分にため息をつきながら彼女を見つめる。
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