疑惑

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彼女が歩いてくる気配を感じて身を隠す。 しかし、教室に戻るわけではなく僕の隠れている下駄箱一つはさんで彼女は腰をおろした。 「はぁ…」 彼女のため息が聞こえる。 僕は悟られないように息をのむ。 なんかとっても悪いことをしているような…でも、誰も知らない彼女を見ているような、そんな気分になった。 どれくらいの時間そうしていただろう。 5分?10分?実際にはもっと短かったかもしれない。彼女はそこから動こうとはせず、僕も動くに動けないでいた。 突然彼女の立ち上がる音がして、反射的に僕の体は小さくなる。 再び電話の受話器が上がる音、お金を入れボタンを押す音がする。
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