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昇降口を出ると、サッカー部や野球部などがランニングをしていた。
少し目線を感じたが、気にもとめず、手を繋いで帰路を歩いた。
方向が一緒で、お互いの家もそんなに離れていない。俺のほうが遠いから、最後まで送ってあげられる。
「ねー?優。」
「ん?」
「優はさ、なんで引越して来たの?」
「言ってなかったっけ?元々俺の家は転勤族なんだよ。だからさ…」
「そっかぁ…じゃーまた引越しする可能性あるの?」
「それはないよ。高校は三年間、ちゃんといさせてくれって頼んだからさ。」
「よかった!優がいないと淋しいもん。」
「お、おい…」
俺は片手で顔を押さえた。
「あー!!顔真っ赤!かっわいい!!」
「ちょっ…はぁー…まったく…」
二人は笑いながら歩いていた。
いつの間にか、智香の家の前に着いていた。
「じゃーな。」
軽く手を挙げる。
「バイバイ。」
互いに手を振りながら
俺はまた歩き出した。
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