序章

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「おやおや、あれはマリクとザドギエルではないか?」 水瓶を手にふよふよと天界をいつもの散歩中の【にがよもぎ】 【にがよもぎ】が見つめる先には… 冷酷な地獄を管理する天使マリクと通称【音速の剣】天使ザドギエルの姿が遠目に見られた。しかしその二人は何やら不穏な雰囲気を纏っている 「なにやら愉快なことでもしてるかもしれんが、あの二人に関わってはろくなことは無い」 と、自己完結 【にがよもぎ】は水瓶を持って何処かへ行ってしまった。【にがよもぎ】の正体・行動は誰にも読めないのが有名 つまり…謎の塊 視線を下に向ける マリクとザドギエルの両者が言い争う 「プロテスタントのザドギエルか…このマリクを倒せると思っているのか?」 紅を基調とした動き易そうな服を纏っているマリクは2メートルは軽く超える槍をザドギエルの喉元に刃先を向けていた 天使流の挨拶では無いのは確かだ 「…たかが地獄の管理者ごときに俺が負けるとは思えないがな」 マリクの槍の刃先にナイフの柄を当てている これも、挨拶の返しでは無い チンッ! 不意にそんな音が鳴った…刹那 マリクは(ロンギヌスの槍)を今度は額に向けて放った しかし、ザドギエルが右手のナイフで防御する。しかも左手のナイフで腹をえぐろうとした 「ッッ!かぁ!!」 無理矢理に槍の軌道を変えて防御した。防御出来なければ今頃は腹に大きな風穴でも空いていた ひんやりとした汗がマリクの頬を伝う 一進一退の攻防 どちらも手加減無しなのが事の壮絶さを物語る 「…ふむ、やはり一筋縄ではいかないか」 「舐めてんのか?私の槍を貴様のチン○みたいなちっぽけなナイフ一本で止められるのは心外だけどね」 マリクの持つ槍 聖槍(ロンギヌスの槍) 神の子の生死を確かめるために脇腹に刺した槍 グングニルと並ぶ聖槍である 二人が互いの力を出し合っている横から…
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