0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「おやおや、あれはマリクとザドギエルではないか?」
水瓶を手にふよふよと天界をいつもの散歩中の【にがよもぎ】
【にがよもぎ】が見つめる先には…
冷酷な地獄を管理する天使マリクと通称【音速の剣】天使ザドギエルの姿が遠目に見られた。しかしその二人は何やら不穏な雰囲気を纏っている
「なにやら愉快なことでもしてるかもしれんが、あの二人に関わってはろくなことは無い」
と、自己完結
【にがよもぎ】は水瓶を持って何処かへ行ってしまった。【にがよもぎ】の正体・行動は誰にも読めないのが有名
つまり…謎の塊
視線を下に向ける
マリクとザドギエルの両者が言い争う
「プロテスタントのザドギエルか…このマリクを倒せると思っているのか?」
紅を基調とした動き易そうな服を纏っているマリクは2メートルは軽く超える槍をザドギエルの喉元に刃先を向けていた
天使流の挨拶では無いのは確かだ
「…たかが地獄の管理者ごときに俺が負けるとは思えないがな」
マリクの槍の刃先にナイフの柄を当てている
これも、挨拶の返しでは無い
チンッ!
不意にそんな音が鳴った…刹那
マリクは槍を今度は額に向けて放った
しかし、ザドギエルが右手のナイフで防御する。しかも左手のナイフで腹をえぐろうとした
「ッッ!かぁ!!」
無理矢理に槍の軌道を変えて防御した。防御出来なければ今頃は腹に大きな風穴でも空いていた
ひんやりとした汗がマリクの頬を伝う
一進一退の攻防
どちらも手加減無しなのが事の壮絶さを物語る
「…ふむ、やはり一筋縄ではいかないか」
「舐めてんのか?私の槍を貴様のチン○みたいなちっぽけなナイフ一本で止められるのは心外だけどね」
マリクの持つ槍
聖槍
神の子の生死を確かめるために脇腹に刺した槍
グングニルと並ぶ聖槍である
二人が互いの力を出し合っている横から…
最初のコメントを投稿しよう!