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哲哉先輩に肩を抱かれたまましばらく歩く…
「ここまで来れば大丈夫かな⁉」急に立ち止まる哲哉。
香住はまだ状況を把握しきれていない。
「……… とりあえず……お茶でも飲む⁉」
カフェにむかって方向転換したときだ…ウィンドーにうつる私…しかも横には哲哉先輩…事もあろうに肩を抱かれている。
「ウワァ~❗」自分でも驚く程の声をあげて先輩の腕を振り払った。
「なっ❗なんだよ❗」
哲哉がむっとした顔をする。
「なんで…先輩が…私と…」訳がわからず慌てている私に簡潔に状況を説明する哲哉先輩。
「で…今に致る訳❗わかった⁉」あきらかに不機嫌なのがわかる………
「ごっご迷惑おかけしてすみませんでした…」
さすがに申し訳なく素直に謝った…
「ふ~ん素直じゃん😃この前と大違い❗」
………この前……新人歓迎会の日の事だ……いっそついでに謝ってしまおう…そう思い「あのっ」言いかけた私に「素直にならないと彼氏みつからないよ~」と悪戯っぽく言った。
……そんな事……言われなくてもわかってる……だから今この前はごめんなさいって言うつもりだったのに❗
「余計な…余計なお世話です❗何もしらないくせに………」そう言いながら涙が溢れてくるのがわかった。
「オッオイ❗」慌てる哲哉。
「今日はありがとうございました❗」
それだけ言って私は逃げるように駆け出していた。
「香住ちゃん❗」哲哉先輩の声が聞こえたが振り返らずに…
……完全に嫌われたな…せっかく助けてくれたのに……素直になれなかったよ…
この時香住はまだ気付いて居なかった。哲哉に手を繋がれ肩を抱かれても拒否反応が出なかったことを。
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