イライラから☆

1/3
2750人が本棚に入れています
本棚に追加
/493ページ

イライラから☆

雪晴「あ、たばこダメだよ?」 生徒「…」 誰もいない放課後の廊下、瀬川雪晴は生徒からくわえたばこを取り上げた。 雪晴「ハタチになったら吸いな~」 間延びした声を出しながら、持っていたジュースのペットボトルの中にタバコを入れる。ジュッと焼けるような音を立て、オレンジの狭い海をぷかぷか浮いた。 生徒「チッ」 大きく舌打ちし、嫌そうに顔を歪める。 雪晴「今度から吸わないでね🎵」 にこっと笑いかけ、ひらひらと手を振って廊下の奥に消えて行った。 生徒「伊月チャン、よ~」 伊月「峰か、なんだよ」 不機嫌 丸出しで振り返り、着崩した制服のネクタイを更に緩める。 峰「今のセンコー、雪晴チャンじゃん?なに喋ってたの?」 ポケットに突っ込んでた手を出し、額にかざした。 伊月「喋ってねえよ。あのヤロー俺のタバコ取り上げやがった」 イライラとポケットからタバコを取り出してくわえる。 峰「ほ~。でも、人気あんだぜ?教師のくせに、俺らみたいなのに声かける変わり者ってな」 くっくっと喉の奥で笑い、伊月の肩をポンッと叩いた。 伊月「知るかンなコト。ムカつく…」 ガンッ。 またイライラが募り、壁に拳を打ち込む。 峰「まあ、俺は雪晴チャン好きだぜ?」 にひひっと笑うが、すぅっと真顔になった。 峰「ーで、こないだ東高の連中に一樹(かずき)らがボコられた」 伊月「!!…なら、奇襲かけに行くか」 表情を僅かに変えて壁にタバコをぐりぐりと押し付ける。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!