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イライラから☆
雪晴「あ、たばこダメだよ?」
生徒「…」
誰もいない放課後の廊下、瀬川雪晴は生徒からくわえたばこを取り上げた。
雪晴「ハタチになったら吸いな~」
間延びした声を出しながら、持っていたジュースのペットボトルの中にタバコを入れる。ジュッと焼けるような音を立て、オレンジの狭い海をぷかぷか浮いた。
生徒「チッ」
大きく舌打ちし、嫌そうに顔を歪める。
雪晴「今度から吸わないでね🎵」
にこっと笑いかけ、ひらひらと手を振って廊下の奥に消えて行った。
生徒「伊月チャン、よ~」
伊月「峰か、なんだよ」
不機嫌 丸出しで振り返り、着崩した制服のネクタイを更に緩める。
峰「今のセンコー、雪晴チャンじゃん?なに喋ってたの?」
ポケットに突っ込んでた手を出し、額にかざした。
伊月「喋ってねえよ。あのヤロー俺のタバコ取り上げやがった」
イライラとポケットからタバコを取り出してくわえる。
峰「ほ~。でも、人気あんだぜ?教師のくせに、俺らみたいなのに声かける変わり者ってな」
くっくっと喉の奥で笑い、伊月の肩をポンッと叩いた。
伊月「知るかンなコト。ムカつく…」
ガンッ。
またイライラが募り、壁に拳を打ち込む。
峰「まあ、俺は雪晴チャン好きだぜ?」
にひひっと笑うが、すぅっと真顔になった。
峰「ーで、こないだ東高の連中に一樹(かずき)らがボコられた」
伊月「!!…なら、奇襲かけに行くか」
表情を僅かに変えて壁にタバコをぐりぐりと押し付ける。
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