小学5年生

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 リョウタ(仮名)は長崎県市営アパートに住んでました。昔から性格は明るく少し口数が多い男の子です。小学校内では暴れ回ったりクラスの子とよく喧嘩をしています。  ある日、学校から帰ると、お父さんとお母さんが妙にシケてました。「どうしたと?」と聞くと、父「お前、通学路に算数のノートば落としとったぞ!!」と、物凄い勢いで怒鳴られました。なぜか母は泣いています。僕は父にそのまま車に乗せられ防波堤へ連れて行かれました。父「お前、そこから飛び降りろ!」と僕に言ってくるのです。訳わからない僕が「えっ!?何?」と聞き返すと、父「よかけん飛び降りんか!!」 僕は泣きじゃくりながら車のシートにしがみついて拒みました。それでも父はその手を掴んで無理矢理に僕を海へ投げ落とそうとしました。僕は車のシートを掴んだまま一向に離しません。諦めた父はそのまま車で、おばあちゃんの家に向かいました。今思うと、算数のノートぐらいでそこまでしなくても……。という気持ちです。
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