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慶は驚きを隠せなかった
「じゃあ今まで三人だけで活動してたんですか!?」
政宗が頭をポリポリとかきながら頷いた
慶は不安になってきた
部室と呼ぶには立派すぎる部屋
二十人ぐらいは余裕で入れるだろう
にも関わらず、三人しか部員がいなかったなんて誰が想像するだろうか
「皆さんごきげんよう」
部室のドアが開き、女が入ってきた
背が高く足も長い、いわゆるモデル体型の美人だった
「遅い!十五分の遅刻!」
「まぁまぁ固いことは言わないで。それより…」
と女は何かを探す
八敷 沙羅(ヤシキ サラ)
八敷財閥のご令嬢で二年生
言い寄ってきた男は数しれず
校内で一番大きい本人公認のファンクラブを持つ
「きゃ~!玲ちゃん発見ですわ~!」
そして小さい女の子が大好きだった
沙羅は目的の玲を見つけると一直線に走りだし、玲に抱きついた
「…沙羅さん…離して…」
沙羅の耳には届いてないのか、玲を抱きかかえたままだった
玲がまるで人形のように見える
「あ~…沙羅くん…今日は新入部員の歓迎会なんだけど…」
政宗の言葉にようやく沙羅が反応する
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