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「さてさて、ところで夕食は何時だと推理するかな? 明太子君」
「明子です」
僕は、『みつりめいし』だっ!
正直、僕はこの名前を気に入っていない。
姓が『うみづり』と間違えられるし、名前にいたっても『あきこ』などと読まれてしまう。
ふざけた名前だと思う。
現実にからかってくる人間が目の前にいる訳だし。
「いいから、推理を言ってみな」
「あんたは、ただ夕食が待ち切れないだけでしょうが。来々さんにでも聞いたらどうです?」
「まあ、そりゃそうだね」
……あっさり納得しやがった。
この人の食い意地には、やはり困ったものがある。
そもそも、仕事もしない奴が推理とか言うな。
「えっと、今は六時か。案外、早くありつけそうかな」
空楽さんが言った。
しかし、何で青跨がこんなぐーたらを招待したのだろう?
知り合いでも、普通は呼ばないだろう。
論理を偏見で構築させながら、僕は思った。
「じゃあ、明子君。取り敢えず一階にでも行こうか」
「あんた、ふらふらして来たばかりでしょうが……」
「さっきは、ふらふらしていたんだけど――今回は、夕食が出て来た時にいち早くありつける様にさ」
「…………」
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