初日――開幕

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「別にさ、私は全くもって構わないんだよ。君が理解仕切れようと仕切れまいと」  意地の悪い表情で、そんな風に言った。 「でも、それを受け止めるぐらいの事は、やって欲しいものだね」  僕に、それを要求してきた。  感情など無と等価の様に、人の意見など聞いていない様子で。 「悲劇でもないと思うけど。私は、あくまで思うけど。まあ、君にもそうしろとは言わないけどね。失望は、許されないって話」  イヒヒッと、ふざけた笑いを見せながら、さらに言葉を続けた。 「君も君なりに考えればいいさ。だからと言って、知った事じゃないけど、本当に知ったこっちゃねーってんだけどね。笑えるくらいに活かした回答を待ってるよ」  イヒヒッと、再びふざけて笑った。 「じゃあ、そう言う事だから、黙って幕を引きな」  本当に好き放題に言ってくれる。  人の考えなんて、小さな事の様に。  自分の考えなんて、それだけの事だと言う様に。 「ここから先は、君の舞台だ」  ◆           ◆  部屋に荷物を降ろすと、僕は部屋にあったソファーに座り込んだ。  流石に、重い荷物を抱えた状態で山道を歩き回れば疲れるのは当たり前か。  僕は、ソファーに体を支える事を任せると、体から力を抜いた。  疲れた。  まったく、何でこんな酷い目にあっているのだろう。
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