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さっきの音はこの目覚まし時計の音だったのだ。ジリリリリと鳴って、投げ捨てられ、壁に当たり、ガツンッ!……と。かわいそうに。
「ぐ……また買い替えか。奮発してせっかく丈夫なやつ買ったのに……ちきしょうっ……」
思わず出た呟きは、しかし誰にも届かない。京介は買ってからわずか一週間で昇天してしまった時計――『ぜんぜん壊れなーい』というキャッチフレーズで売っていたのだが……嘘だったようだ――を恨めしく眺めるが、きっと怒りを向けるべき相手はそれじゃない。
京介はまず窓際へ行き、カーテンを開ける。そして窓を背に、まさに後光のごとく朝日を背負いながら、キッと鋭い眼差しを部屋の奥地にあるベッドへと向けた。
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