晴れのち曇り

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「おい、朝だぞ、起きろ!」 とりあえず言ってみるが効果なし。ベッドの上にある塊はまったく微動だにしない。 依然うつ伏せで眠ったままだ。 左腕はベッドからだらんと落ち、掛布団は乱れに乱れ、おまけにどうやったのかは分からないが枕が足の上にちょこん、とのっていた。 突然部屋が明るくなり、眩しいからか次第にベッドの上のそれが、「ん……う~ん」と身をよじら始める。 「ほら、さっさと起きろ!」 これはチャンス、と追い撃ちをかけに京介はベッドに接近していく。 そして、 「うっ……」 唸り声と共に京介は思わず身を引く。 思いっきり見てしまった。そいつの、いやその女の生めかしい下着姿を。 すらりとした、だが出るところはきちんと出ている無駄のない四肢。肩のあたりでバッサリと切られた髪は見るからに艶やかで美しい。 つり上がった目も、薄い唇も、引き締まった頬も鼻も、みな極上の曲線を描き、大人の色っぽさを存分に引き出している。 加えて露出全開の寝起きシーンなんて状況だから非常にハレンチ極まりない。
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