残ったもの

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僕は血に染まった服や辺りを見渡した。 しかし夜なので当然染まっているとしか見えない。 再びぼーっとしながらカッターを引いていると、突然ケータイが鳴りだした。 予想もしていなかったので、思わずびっくりした。 こんな時間に誰だろうと思いながらも、最後のメールぐらい見ておこうと思い、ケータイを手にとり、開く。 そこにはEメール一件とあった。 進んでみると、メールの送信者は幼なじみの真実だった。 メールにはこう書かれていた。 『今、なにしてる?』 普通のメールだった。 たぶん、暇だから送ってきたのだろう。 僕はそしらぬ風に、『何も』と打って返信すると、すぐに返事が返ってきた。 『じゃあ今から会える?』 どうせ死ぬのだから、こんな時間に抜け出しても平気だろう。 僕は『分かった』と打って、手首をとりあえず止血して、服を着替えて、階段をおりていった。 母さんは「こんな時間にどこに行くの?」と言ってきたが、僕は無視して家を出て行った。
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