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「好きです。付き合ってください。」
震えながら口にした言葉がそれだった。
やっと伝えることができた。
初めて好きな人に自分の気持ちを伝えることができた。
しかし…
「ごめんなさい。」
そう言って、彼女は立ち去ってしまった。
ひとりぼっちになった僕はとぼとぼと歩いていた。
バシッ
「いったいなぁ、何すんだよ。」
振り向くと、そこには幼なじみの真実がいた。
「なんだよ、タイミングわりぃなぁ、またちょっかいだしに来たのか?俺が失恋したのを知っててよ。」
真実には今日の夕方、好きな人に告白してくると言ってある。
そのためずっと張っていたのだろう。
今は本当にほっといてほしい。
今は一人にしてほしい。
いつものようにまたちょっかいをだすと思って警戒していたが、今日は何も言ってこない。
「そっか、フラれちゃったか。」
その一言だけ言って、一人で帰ってしまった。
僕としてはそうしてくれてよかった。
僕はそのままとぼとぼと家路に着いた。
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