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まだ頭がぼーっとしている。
これが失恋というものなのか、初めて味わう感覚だ。
本当に何もする気になれない。
下から母さんが呼んでいるが聞き入れようとしない。
とても落ち込んでいた。
頭のなかが空っぽだった。
部屋の電気もつけないまま、ただ真っ暗の部屋のなかで、ひとりベッドの端に丸くなっていた。
確かに悲しかった。
失恋したという自覚もある。
しかし気持ちとは裏腹に、涙は一筋しか出なかった。
あんなに好きだった人にフラれたのに、涙がほとんどでないなんて、どうかしているのだろうか。
暗い気持ちに押し潰されてしまいそうになるので今日は寝ることにした。
翌朝
僕はいつも通りに起きた。
不思議と昨日の重たい気持ちはなくなっていた。
いつも通りの変わらない日常を送るために、行ってきますと一言言って、学校に向かった。
外は僕の背中を押すかのような快晴だった。
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