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ご主人の頭に座り、オイラは小声で言う。
「何で? みんな仲良くやってるじゃん? そりゃ……ちょっと、生ける屍みたくなってるけど……」
ご主人が言い訳がましく言う。
「ご主人……生ける屍ってそれ、充分罪だよ……」
オイラは呆れ気味に言った。
「ウォッホン!」
主神がわざとらしく咳払いをし、あとを繋ぐ。
「ルーン、罪を犯した者は罰を受けなければいけない、それは分かるな?」
主神が声に厳しさを含め言う。
「よって、お前は気持ちというものを理解する為に地上で修業して来るがよい」
「何でだよ! 俺は何も悪いことはしてないぞ!」
ご主人がキッと主神を睨みながら言う。
「お前には全ての力を失い、神ではなくただの人間として地上で暮らしてもらおう。少しでも多くを学び、成長するがよい」
「無視すんな!」
と、まぁこんな感じで、ご主人はただの人間へ、仕えてるオイラもただのペットへというわけだ。
「ご主人、これからどうすんですかー?」
見渡す限りの草原。地平の向こう側には満天の星空が広がっている。
「どうするも何も、分かんねぇよ! とりあえず歩くぞ!」
そう言うとご主人は、さっさっと歩き始めた。
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