Chapter1

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▼ 金髪少女はゆっくりと立ち上がり、チラリと僕を一瞥する。 改めて見ると、感情の読み取れない無表情をしているが……かなり可愛い。 染色や脱色では出すことができない、艶やかな金髪を左右に結び、ツインテールにしている。 力を入れて抱き締めれば壊れてしまいそうなほどに華奢な身体は、山吹色のブレザーに、赤いチェックのスカート、紺のソックスにローファーを身につけていた。 どこかの制服だろう。 ……何だか普段よく見かける制服なのは気のせいか? 金髪少女は視線を外し、クルリと背を向けると、テクテクと歩いていく。 「ちょ、ちょっと!」 慌てて呼び止めた。 彼女はこちらを振り返る。 数秒、こちらを見つめた後、 「…よし。」 ぼそりと呟き、そのまま去ろうとする。 「ちょ、「よし」って……いやそこで不思議そうな顔しないでよ」 首を傾げる少女に、僕は詰め寄って肩をつかむ。 「さっきのは一体…?」 僕の質問に彼女は一言、 「…鈴。」 「いやいや、そうじゃなくて…今起きたことを説明して欲しいんだけど」 「…アナタが、ワタシのカラダを、触って…いる?」 「僕が痴漢みたいだよそれ!?」 「ちかん。」 「違う違う!えぇと…キミは僕を助けてくれたんだよね?」 コクリ、と頷く。 「んと…とりあえず…」 素直にお礼を言うことにした。 「ありがとう、キミのおかげで助かったよ」
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